ひらめきの種ステージ【物の浮き沈みの実験A】

2023/02/02 13:39 - By 総志学舎

1. この活動の狙い

物の浮き沈みの実験は、何のために行うのでしょうか。一般的なパターントレーニングでは、浮くもの沈むものをパターン化して覚えさせるために行います。 金属は沈む、木は浮く、土の下でとれた野菜は沈む等、確かに大切ですがそれだけだと少し物足りない。

2. ひらめき教室での実践例

ひらめき教室では、未知なる物への探求心育成のために「物の浮き沈みの実験」を活用します。まずは子どもたちに、実際に物を触らせながらいろいろなものの浮き沈みを実験させます。そのうえで、実際に浮かんだものの類似点、沈んだものの類似点を一緒に考えます。鉛筆と積み木は、どちらも木でできているから浮かぶ、10円とクリップはさわると固いものだから沈む、同じ野菜でも、採れる場所によって沈むものもあれば浮かぶものもあるなど、子どもに発言させながらまとめていきます。ここでのポイントは、浮くもの沈むものの基本情報の獲得であり、情報をパターン化して覚えることではありません。

①脱パターントレーニング

そしてタイミングを見計らって、皆に問います。

「リンゴは浮くかな、沈むかな?」

私の実体験としてパターン化して覚えることに慣れている子の反応は決まっています。 

と恨めしげに見る。考えようとしない。 未知なる物への探求心が弱い。 ひらめき教室では、実際に物に触りながら実験を行った体験を生かし 心の声に耳を傾けながら子どもに発言させます。

子どもたち:

A:持ってみるとけっこう重いから沈む

B:でも、さっきのスイカは重くても浮いたから浮くんじゃない?

C:丸いじゃがいもは沈んだから、りんごも丸いから沈むと思う

自分の過去の経験が、未知のものにどうつながるのか考え始めています。

②やわらかアタマの思考力

実際に水槽に入れると浮かびます。

パターン化して覚えることに慣れている子の反応はやはり

子どもたち:

A:やったことがない。

B:知らない、わからない。

考えようとしない。そこでヒント。

先生:

リンゴってどこになっているか見たことある?

子どもたち:

家族でリンゴ狩りに行ったことがあるわ。木になっていたもの。

あ?

先生:

なにか気づいた?お話してごらん

子どもたち:

リンゴは木になるから、木は浮かぶからリンゴも浮かぶっていうこと?

リンゴと積み木は、見え方は全く違うが、実はどちらも木と仲良し、だから浮かぶことに気づいた見事な3段論法、まさに「③ひらめく」瞬間です。自分の経験を元にこの子は考えたのです。こんな子を育てたい。